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COLUMN #15 | 理学療法

シニアの熱中症対策――「のどが渇く前に」が合言葉

2026年8月7日 | 執筆:村田 幸俊(理学療法士・鍼灸師)| Move fit 戸畑(北九州市戸畑区)
シニアの熱中症対策――「のどが渇く前に」が合言葉

毎年夏、熱中症で救急搬送される方のニュースが続きます。実はその多くは65歳以上の方で、発生場所としていちばん多いのは炎天下の屋外ではなく、自宅の中です。

「自分は暑さに強いほうだから」「のどが渇いたらちゃんと飲んでいるから」。そうおっしゃる方ほど、知っておいていただきたいことがあります。年齢を重ねた身体は、若い頃と同じやり方では水分と体温を守れなくなっているのです。

今回は、シニアが熱中症になりやすい本当の理由と、今日から変えられる過ごし方のお話です。

年齢とともに「暑さと渇きのセンサー」が鈍くなる

のどの渇きは、脳が「水分が足りませんよ」と知らせる警報です。ところがこの警報装置は、年齢とともに感度が下がることがわかっています。火災報知器の電池が弱ってくるようなもので、身体はもう水分不足なのに、警報が鳴らないのです。

さらに、暑さを感じる皮膚のセンサーや、汗をかいて熱を逃がす力も、加齢とともにゆるやかに低下します。「暑くない」「のども渇いていない」と本人が感じていても、身体の中では脱水が静かに進んでいる——これがシニアの熱中症のこわいところです。

だからこそ合言葉は「のどが渇く前に」。渇きを待たず、時間を決めて飲む習慣に切り替えましょう。目安は食事以外にコップ1杯(150〜200ml)を1日6〜8回。起床後・10時・昼食・15時・入浴前後・寝る前、と生活の節目に固定すると忘れにくくなります。トイレが近くなるのを嫌って控えるのは逆効果。寝る前の1杯は、夜間の脱水を防ぐ大事な1杯です。

エアコンは「我慢比べの相手」ではなく味方です

「電気代がもったいない」「冷房は身体に悪い気がする」と、エアコンを我慢される方が少なくありません。けれど、室温が28度を超える環境で過ごし続けることのほうが、よほど身体への負担になります。

感覚が当てにならないぶん、頼りになるのは温度計です。居間と寝室に温度計を置き、「感じ方」ではなく「数字」で冷房を入れると決めておきましょう。風が直接当たるのがつらい方は、風向きを天井に向け、薄い長袖を一枚はおれば十分です。寝室は寝る30分前から冷やしておくと、寝苦しさがぐっと減ります。

夏に動かないと、秋に足腰が弱る

もうひとつ見落とされがちなのが、運動不足です。「暑いから散歩はお休み」が2か月続くと、筋肉は思いのほか減ってしまいます。実は筋肉は7〜8割が水分で、いわば身体に備え付けられた水分の貯金タンク。筋肉が減ると、同じ汗の量でも脱水しやすい身体になります。

夏の運動は、時間帯と場所を選べば続けられます。外を歩くなら朝の涼しいうちに短めで。日中は、冷房の効いた室内での体操やスクワットに切り替えましょう。運動の前後にコップ1杯ずつの水分を忘れずに。足腰を保つことは、転倒の予防(転倒予防の回もどうぞ)にも夏の安全にもつながる、一石二鳥の備えです。

自宅でできること:夏を安全に乗り切る4つの習慣

  1. 飲むタイミングを生活の節目に固定する。朝、1日分のお茶をポットにまとめて用意し、夕方に残量を確かめると「飲めたかどうか」が一目でわかります。
  2. 居間と寝室に温度計を置き、28度を超えたら迷わず冷房。湿度は60%以下が目安です。
  3. 運動は朝の涼しい時間帯か、冷房の効いた室内で。テレビを見ながらの立ち座り運動10回でも立派な貯金になります。
  4. たくさん汗をかいた日は水だけでなく塩分も。みそ汁や梅干し、経口補水液を上手に使いましょう。
※ めまい・吐き気・頭痛・身体の熱さを感じたら、涼しい場所で水分と塩分をとり休んでください。受け答えがおかしい、自分で水が飲めない、意識がもうろうとしている場合は、ためらわず119番を。心臓や腎臓の病気で水分・塩分制限のある方は、主治医の指示を優先してください。

Move fit 戸畑でできること

Move fit 戸畑は冷房の効いた室内で、理学療法士が体力に合わせた運動をマンツーマンでご提案するジムです。まず筋力やバランスを評価して、「夏のあいだに何をどれだけやればよいか」を具体的にお伝えするので、暑い時期の運動の置き場所として安心してご利用いただけます。65歳以上の方には、毎週火曜13:00〜13:40の体操教室(体験600円)もあります。

「夏は動かないのが当たり前」だった方こそ、変わりどきです。評価つきのジム体験600円から、涼しい運動習慣を始めてみませんか。

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