シニアの熱中症対策――「のどが渇く前に」が合言葉
毎年夏、熱中症で救急搬送される方のニュースが続きます。実はその多くは65歳以上の方で、発生場所としていちばん多いのは炎天下の屋外ではなく、自宅の中です。
「自分は暑さに強いほうだから」「のどが渇いたらちゃんと飲んでいるから」。そうおっしゃる方ほど、知っておいていただきたいことがあります。年齢を重ねた身体は、若い頃と同じやり方では水分と体温を守れなくなっているのです。
今回は、シニアが熱中症になりやすい本当の理由と、今日から変えられる過ごし方のお話です。
年齢とともに「暑さと渇きのセンサー」が鈍くなる
のどの渇きは、脳が「水分が足りませんよ」と知らせる警報です。ところがこの警報装置は、年齢とともに感度が下がることがわかっています。火災報知器の電池が弱ってくるようなもので、身体はもう水分不足なのに、警報が鳴らないのです。
さらに、暑さを感じる皮膚のセンサーや、汗をかいて熱を逃がす力も、加齢とともにゆるやかに低下します。「暑くない」「のども渇いていない」と本人が感じていても、身体の中では脱水が静かに進んでいる——これがシニアの熱中症のこわいところです。
だからこそ合言葉は「のどが渇く前に」。渇きを待たず、時間を決めて飲む習慣に切り替えましょう。目安は食事以外にコップ1杯(150〜200ml)を1日6〜8回。起床後・10時・昼食・15時・入浴前後・寝る前、と生活の節目に固定すると忘れにくくなります。トイレが近くなるのを嫌って控えるのは逆効果。寝る前の1杯は、夜間の脱水を防ぐ大事な1杯です。
エアコンは「我慢比べの相手」ではなく味方です
「電気代がもったいない」「冷房は身体に悪い気がする」と、エアコンを我慢される方が少なくありません。けれど、室温が28度を超える環境で過ごし続けることのほうが、よほど身体への負担になります。
感覚が当てにならないぶん、頼りになるのは温度計です。居間と寝室に温度計を置き、「感じ方」ではなく「数字」で冷房を入れると決めておきましょう。風が直接当たるのがつらい方は、風向きを天井に向け、薄い長袖を一枚はおれば十分です。寝室は寝る30分前から冷やしておくと、寝苦しさがぐっと減ります。
夏に動かないと、秋に足腰が弱る
もうひとつ見落とされがちなのが、運動不足です。「暑いから散歩はお休み」が2か月続くと、筋肉は思いのほか減ってしまいます。実は筋肉は7〜8割が水分で、いわば身体に備え付けられた水分の貯金タンク。筋肉が減ると、同じ汗の量でも脱水しやすい身体になります。
夏の運動は、時間帯と場所を選べば続けられます。外を歩くなら朝の涼しいうちに短めで。日中は、冷房の効いた室内での体操やスクワットに切り替えましょう。運動の前後にコップ1杯ずつの水分を忘れずに。足腰を保つことは、転倒の予防(転倒予防の回もどうぞ)にも夏の安全にもつながる、一石二鳥の備えです。
自宅でできること:夏を安全に乗り切る4つの習慣
- 飲むタイミングを生活の節目に固定する。朝、1日分のお茶をポットにまとめて用意し、夕方に残量を確かめると「飲めたかどうか」が一目でわかります。
- 居間と寝室に温度計を置き、28度を超えたら迷わず冷房。湿度は60%以下が目安です。
- 運動は朝の涼しい時間帯か、冷房の効いた室内で。テレビを見ながらの立ち座り運動10回でも立派な貯金になります。
- たくさん汗をかいた日は水だけでなく塩分も。みそ汁や梅干し、経口補水液を上手に使いましょう。
Move fit 戸畑でできること
Move fit 戸畑は冷房の効いた室内で、理学療法士が体力に合わせた運動をマンツーマンでご提案するジムです。まず筋力やバランスを評価して、「夏のあいだに何をどれだけやればよいか」を具体的にお伝えするので、暑い時期の運動の置き場所として安心してご利用いただけます。65歳以上の方には、毎週火曜13:00〜13:40の体操教室(体験600円)もあります。
「夏は動かないのが当たり前」だった方こそ、変わりどきです。評価つきのジム体験600円から、涼しい運動習慣を始めてみませんか。