歩幅が狭くなった?――それは股関節の硬さのサインかもしれません
「歩くのが遅くなった気がする」「ちょこちょこ歩きになったと家族に言われた」「ズボンの裾が前より引きずらない=歩幅が縮んだ?」。年齢とともに、歩き方の変化に気づく場面が増えてきます。
歩幅が狭くなると、多くの方は「脚の筋力が落ちたせい」と考えます。それも一因です。けれど実は、見落とされがちなもうひとつの主役がいます。股関節の硬さ、それも「脚が後ろに伸びにくくなる」硬さです。
今回は、歩幅と股関節の意外な関係と、寝たままできるストレッチのお話です。
歩幅を決めるのは「前に出す脚」より「後ろに残る脚」
大股で歩こうとするとき、私たちはつい前の脚を遠くへ出そうとします。ところが歩幅の本当の決め手は、後ろ側です。一歩のあいだ、後ろの脚は身体のうしろに残って地面を蹴ります。このとき股関節が後ろにしっかり伸びる(専門的には「伸展」といいます)ほど、一歩は自然に大きくなるのです。
ところが現代の生活は、座っている時間がとても長い。座っている間、股関節はずっと曲がったままです。コンパスの脚を閉じたまま何年も置いておくと、ちょうつがいが固くなって大きく開かなくなるように、股関節の前側(付け根の筋肉)は縮んだまま硬くなり、脚が後ろに伸びなくなっていきます。
後ろに伸びない脚では、地面を蹴る距離が稼げません。結果、歩幅は狭く、ちょこちょこ歩きに。本人は筋力の衰えだと思っているけれど、実は「関節の伸びしろ」が削られていた——というケースは少なくないのです。
股関節の硬さは、腰と膝が「肩代わり」する
もうひとつ大事な話があります。股関節が伸びない分を、身体はどこかで埋め合わせようとします。肩代わりの筆頭が、すぐ上の腰と、すぐ下の膝です。
脚が後ろに伸びない代わりに腰を反らせて歩けば、腰の関節に毎歩小さな負担が積み重なります。歩くと腰が張る、夕方に腰が重い、という方の背景に股関節の硬さが隠れていることがあります。また、歩幅を補おうと膝でちょこちょこ調整する歩き方は、膝への負担を増やします。
つまり股関節は、いわば身体の中間管理職。ここが働かないと、上司(腰)と部下(膝)に残業が回るのです。腰や膝のケアを続けてもすっきりしない方は、一度、股関節に目を向けてみる価値があります(ひざ・股関節とリフォーマーの回もどうぞ)。
自宅でできること:寝たままできる股関節の前伸ばし
- あおむけに寝て、両ひざを立てます。ベッドの上でも布団でも構いません。
- 片方のひざを両手で抱え、胸のほうへゆっくり引き寄せます。このとき、伸ばしている側の脚はできるだけまっすぐ床に沿わせるのがポイントです。
- 伸ばした側の脚の付け根(そけい部)が、じんわり伸びる感覚を探します。腰が浮かないよう、お腹に軽く力を入れたまま20〜30秒キープ。
- 左右2回ずつ、朝起きる前と夜寝る前に。痛みが出る場合は引き寄せを浅くして、「気持ちよく伸びる」範囲で行いましょう。
Move fit 戸畑でできること
Move fit 戸畑では、理学療法士が歩き方と股関節の伸び具合を評価し、歩幅が狭くなっている本当の理由を見極めたうえでメニューをお作りします。そして股関節の可動域づくりで力を発揮するのが、リフォーマーというピラティス専用マシンです。バネの助けを借りて脚の重さを支えながら動かせるので、硬くなった股関節を、痛みの出にくい範囲で安全に大きく動かす練習ができます(マシンの仕組みはリフォーマーの回でどうぞ)。
動きにくさの陰に筋肉の強い張りがある方には、鍼灸でゆるめてから動かす合わせ技も可能です。評価つきの体験は600円。10年後の歩幅を守る一歩を、ここから踏み出してみませんか。