膝と体重のはなし――責めない減量と「運動の順番」
膝の痛みで病院に行くと、こう言われた方は多いはずです。「体重を減らしましょうね」。
分かっている。分かっているけれど、膝が痛いから動けない。動けないから体重が増える。増えるとまた膝にくる——この堂々めぐりの中で、「自分の体重のせいだ」とご自分を責めてしまう方を、私たちはたくさん見てきました。
今日は最初にお伝えします。あなたが悪いのではなく、「順番」を誰も教えてくれなかっただけです。膝と体重の関係を正しく知って、責めない減量と運動の順番を一緒に整理しましょう。
体重1kgで、膝の負担は1kg「以上」変わる
歩いているとき、膝には体重そのものよりずっと大きな力がかかります。平らな道でも体重の約3倍、階段ではさらに大きくなると言われます。てこの原理で、足が地面を蹴るたびに体重以上の力が膝に集まるためです。
これを逆から読むと、希望が見えてきます。体重が1kg減ると、歩くたびに膝にかかる力はその数倍分、軽くなる計算になるのです。1kgと聞くと小さく感じますが、膝にとっては「毎歩、数kgの荷物を下ろしてもらった」ようなもの。1日5千歩なら、5千回その恩恵を受けます。だからこそ、無理な大減量ではなく、まず1〜2kgに大きな意味があるのです。
食事だけで痩せると、筋肉も一緒に減る
「では食事を減らそう」——ここに落とし穴があります。食事制限だけの減量では、脂肪と一緒に筋肉も減ってしまうのです。
膝を守っているのは、太ももの筋肉というクッション兼サポーターです。食事だけで体重を落とすと、せっかく体重が減っても守り手の筋肉までやせ細り、膝にとって差し引きで損をすることすらあります。減量の合言葉は「食事は腹八分、筋肉は運動で守る」。極端な抜き方をせず、たんぱく質(肉・魚・卵・豆腐など)はしっかり摂りながら、運動を組み合わせるのが膝にやさしい痩せ方です。ゆっくりよく噛んで食べるだけでも、食べすぎは自然と減っていきます。急がば回れ、です。
膝が痛い人の「運動の順番」
「運動と言われても、歩くと痛いんです」——そのとおりで、痛い膝にいきなりウォーキングは順番違いです。正しい順番はこうです。
第一段階は、膝に体重をかけない運動。座ったり寝たりした姿勢での筋トレや、リフォーマーのように寝たまま脚を動かせる運動から始めます(膝・股関節とリフォーマーの回参照)。第二段階で、立って行う浅いスクワットなど体重を支える練習へ。そして第三段階で、ようやく散歩の距離を伸ばしていく。階段や坂道は最後です。痛みと付き合いながらの運動の考え方は膝の痛みと運動の回でも詳しくお話ししています。
そしてもうひとつ。体重は「敵」ではなく、ただの数字です。数字を眺めて落ち込む時間より、今日かかとを10回上げたという事実のほうが、膝にとってずっと価値があります。減量は結果であって、目的は「動ける毎日を取り戻すこと」のほうにあるのですから。
自宅でできること:座ってできる膝の守り筋トレ
- 椅子に深く座り、片方の膝をゆっくり伸ばします。つま先は天井へ。
- 伸ばしきったところで5秒キープ。太ももの前に力が入っているのを確かめます。
- ゆっくり下ろします。左右10回ずつ。
- 仕上げに、かかとの上げ下げを10回。ふくらはぎも一緒に育てます。
コツは、膝が痛まない範囲で「ゆっくり」行うこと。回数より、太ももに効いている感覚を大事にしてください。
Move fit 戸畑でできること
Move fit 戸畑では、理学療法士が膝の状態と筋力を確かめて、今のあなたが「第何段階」かを見極めるところから始めます。リフォーマーは膝に体重をかけずに太ももを鍛えられる、第一段階にぴったりの道具です。痛みが強い時期には鍼灸でこわばりを和らげる、という合わせ技もできます。
体重のことは、もうお一人で抱え込まないでください。評価体験は600円。責めない作戦会議から始めましょう。