五十肩には「時期」がある――回復の段階に合わせた動かし方
腕を上げると肩がズキッと痛む。服の袖に腕を通すのがつらい。夜、寝返りのたびに肩の痛みで目が覚める——五十肩(肩関節周囲炎)は、40〜60代に多く起こる、つらい肩の痛みです。
五十肩で悩ましいのは、周囲のアドバイスがばらばらなこと。「動かさないと固まるよ」と言う人もいれば、「安静にしなさい」と言う人もいる。いったいどちらが正しいのでしょうか。
答えは「時期による」です。五十肩には回復の段階があり、段階によって、やるべきことが正反対になるのです。今回はこの「時期」の話をします。
五十肩の経過は、おおまかに3つの時期
五十肩は多くの場合、次の3つの時期をたどります。天気にたとえると、嵐→曇り→晴れ間、という流れです。
1.痛みが強い時期(嵐)——じっとしていてもうずく、夜の痛みで眠れない時期です。肩の中で炎症という火事が起きている状態。2.硬い時期(曇り)——強い痛みは落ち着くかわりに、肩がガチッと固まって動かなくなる時期。火事の後、現場が固まったような状態です。3.回復期(晴れ間)——少しずつ動く範囲が戻ってくる時期です。
全体で数か月から、長い方では1年以上かかることもあります。焦る気持ちはよくわかりますが、時期に合わない頑張りは、かえって回り道になります。
時期ごとのNGとOK
嵐の時期のNGは、痛みをこらえてぐるぐる回すこと。「動かさないと固まる」と聞いて頑張る方が多いのですが、火事の最中にうちわであおぐようなもので、炎症を長引かせるおそれがあります。この時期のOKは、痛まない範囲で日常を続けること、夜は抱き枕などで楽な姿勢を見つけること、そして医療機関で炎症を抑える相談をすることです。
曇りの時期のNGは、逆に怖がって全く動かさないこと。固まりが進んでしまいます。OKは、痛気持ちいい範囲でこつこつ動かすこと。回復期のOKは、動く範囲を広げつつ、弱った筋肉を育て直すことです。ここで運動をやめると、動きの最後のひと伸びが残りにくくなります。
つまり五十肩との付き合いは、「今が何の時期か」を見極めることから始まります(五十肩の基本は五十肩入門の回をどうぞ)。
やっかいなのは、時期の移り変わりが自分ではわかりにくいことです。「もう動かしていいのか、まだ休ませるべきか」。迷ったときは自己判断で頑張りすぎず、整形外科や私たちのような運動の専門家に、肩の状態を見てもらってください。
自宅でできること:振り子運動(アイロン体操)
どの時期でも比較的安全に行いやすい、昔から伝わる肩の名作体操です。かつてアイロンを持って行ったことから「アイロン体操」とも呼ばれます。
- テーブルに痛くないほうの手をつき、軽くおじぎをした姿勢になります。
- 痛いほうの腕を、だらんと真下にぶら下げます。500mlのペットボトルを軽く持っても構いません。
- 腕の力を抜いたまま、身体を小さく揺らして、腕を前後に10回、円を描くように10回、振り子のように揺らします。
- 1日2〜3回。痛みが出ない振り幅で行います。
コツは、腕の筋肉で動かさないこと。あくまで身体の揺れで腕が「勝手に揺れる」のが正解です。力が抜けるほど、肩はゆるみやすくなります。お風呂上がりなど、身体が温まっているときに行うと、よりゆるみやすくなります。
Move fit 戸畑でできること
Move fit 戸畑では、理学療法士が肩の動きを評価し、今がどの時期かを見極めたうえで、その時期に合った運動をご提案します。鍼灸で肩まわりの筋肉の緊張と痛みを和らげながら、リフォーマー(ピラティスマシン)で肩甲骨や背骨など「肩を助ける仲間たち」を整えていく——この組み合わせは当店ならではです。長引く肩の痛みにお悩みの方、評価体験600円でお待ちしています。