腕が上がらない――それ、五十肩かもしれません
「洗濯物を干そうと腕を上げたら、肩に鋭い痛みが走った」「服の袖に腕を通すのがつらい」「夜中、肩がうずいて目が覚める」。そんな症状に心当たりはありませんか。
40代、50代を中心によく起こることから「四十肩」「五十肩」と呼ばれるこの症状。正式には肩関節周囲炎といって、肩の関節を包む袋や、まわりの組織に炎症が起きた状態です。60代、70代で起こる方も珍しくありません。
「そのうち良くなるだろう」と放っておく方が多いのですが、実はこの症状、時期によって正しい対応が逆転するという、ちょっとやっかいな性質があります。今回は、その見極め方と上手なつきあい方のお話です。
「ただの肩こり」とどう違う?
肩こりは、首から肩にかけての筋肉が疲れてこわばった状態。重い、だるい、張るといった感覚が中心で、腕は痛いなりに動かせます。
一方の五十肩は、関節そのものの炎症です。見分けのポイントは3つ。①腕を上げる・後ろに回すなど特定の動きで鋭く痛む、②エプロンのひもを結ぶ、背中のファスナーに手が届かないなど動きの範囲が狭くなる、③夜、寝ているだけでうずく(夜間痛)——。この3つがそろってきたら、肩こりではなく五十肩を疑います。とくに夜間痛は、肩こりにはまず見られない、五十肩らしいサインです。早めに気づくことが大切です(肩こりのケアは肩こりと鍼灸の回をどうぞ)。
痛みの時期は「がまんして動かす」が逆効果
五十肩には、おおまかに「炎症期(痛みが強い時期)」「拘縮期(固まる時期)」「回復期(ゆるんでくる時期)」という経過があります。季節にたとえるなら、嵐・冬ごもり・雪解け。それぞれに合った過ごし方があります。
大事なのは、嵐の時期(炎症期)に無理やり動かさないこと。「動かさないと固まる」と聞いて、痛みをこらえてぐるぐる回す方がいますが、炎症が燃えているときに刺激を加えると、火に風を送るようなもの。痛みが長引く原因になりかねません。この時期は、痛みの出ない範囲で日常生活を送ることが、何よりの基本になります。
逆に、痛みが落ち着いてきた冬ごもり〜雪解けの時期は、少しずつ動かして可動域(動かせる範囲)を取り戻す番。ここで動かさずにいると、固まったままになりやすい。「いつ休み、いつ動くか」の見極めこそが、五十肩との上手なつきあい方です。
もうひとつ知っておいてほしいのは、五十肩の経過は数か月から1年以上と、思いのほか長丁場になることがある点です。「いつまで続くのか」と不安になりますが、多くは時間とともに少しずつ落ち着いていく性質のもの。あせって無理をするより、今の時期に合ったケアを淡々と続けることが、結局はいちばんの近道になります。
動かしてよい時期に入ったら、おすすめは「振り子体操」。テーブルに健康な側の手をつき、おじぎの姿勢で痛い側の腕をだらんと垂らし、腕の重みを利用して前後や円を描くように小さく揺らします。力で上げるのではなく、ぶら下げて揺らす——肩に負担をかけずに動きを呼び戻す、定番の方法です。
自宅でできること:夜間痛をしのぐ寝方の工夫
つらい夜間痛は、寝る姿勢で和らげられることがあります。ポイントは「痛い肩をぶら下げない」ことです。
- 仰向けで寝るときは、痛い側の肘の下にたたんだバスタオルやクッションを入れ、腕を少し持ち上げた位置で支えます。
- 横向きで寝るときは、痛い肩を上にして、抱き枕や布団を抱えるように腕を預けます。
- 痛い肩を下にして寝るのは避けましょう。体重で関節が圧迫され、痛みが強くなりがちです。
- 朝晩の冷えで痛みが増す時期は、肩を冷やさないよう、肩当てや長袖のパジャマで保温を。
コツは、腕の重さ(片腕で3〜4kgあります)を布団やクッションに「預けてしまう」こと。腕の置き場が決まるだけで、寝つきがずいぶん変わる方が多いです。
Move fit 戸畑でできること
Move fit 戸畑では、理学療法士が肩の状態を確かめ、「今は休ませる時期か、動かす時期か」を見極めたうえで、その時期に合った運動をマンツーマンでサポートします。痛みが落ち着いてきたら、リフォーマーのバネの補助を使って、肩に負担をかけずに動きを取り戻す練習へ。鍼灸でまわりの筋肉のこわばりを和らげる組み合わせも好評です。
「もう半年も腕が上がらない」という方も、あきらめる前に一度ご相談ください。体験・評価は600円です。服の着替えや洗濯物干しが楽になるだけで、毎日の気持ちはずいぶん軽くなります。肩の今の状態を知ることから、一緒に始めましょう。