敬老の日に。家族で話したい「歩く力」のこと
もうすぐ敬老の日。離れて暮らす親御さんに会いに行く方、お孫さんの顔を見せてもらう方も多い時期です。久しぶりに会った家族と一緒に歩いて、「あれ、歩くのが遅くなったかな」と、ふと感じたことはありませんか。
本人は毎日の変化に気づきにくいもの。たまに会う家族だからこそ見える変化があります。そして実は、歩く速さは、その方の元気の度合いをよく映す「もうひとつの体温計」のようなものなのです。
今回は敬老の日にちなんで、家族で話したい「歩く力」のお話です。プレゼントの品物選びと同じくらい、価値のある話題だと私たちは思っています。
歩く速さは、全身の元気を映す鏡
歩くという動作は、単純なようでいて、実は全身の総合力です。足腰の筋力、バランス、関節の柔らかさ、心臓と肺の働き、そして「転ばないように」と判断する脳の働き。そのどれが衰えても、歩く速さに表れます。だから歩く速さを見れば、身体全体のおおよその元気度がわかる、というわけです。体温計が熱を教えてくれるように、歩く速さは身体の変化を静かに教えてくれます。
研究の世界でも、歩く速さは健康状態や将来の介護リスクと深く関わる指標として重視されています。難しい数字を覚える必要はありません。生活の中に、わかりやすいものさしがあります。
それは横断歩道です。日本の信号は、おおむね「1秒に1メートル」歩ける速さを想定して設計されています。青信号のあいだに余裕をもって渡り切れるか。最近、途中で点滅し始めて焦ることが増えていないか。これが、歩く力のいちばん身近なチェックポイントです。ほかにも「スーパーで同年代に追い越されることが増えた」「靴の片方だけつま先がすり減る」「ペットボトルのふたと同じで、気づけば固くなっている」——そんな小さなサインも目安になります。
家族の声かけは「指摘」より「お誘い」
気になる変化に気づいたとき、つい「歩くの遅くなったね」「運動しなきゃだめだよ」と言いたくなります。けれど、心配から出た言葉でも、本人には「衰えの指摘」として届きがちです。プライドが傷つくと、かえって外出がおっくうになることさえあります。
おすすめは、指摘ではなくお誘いに変えることです。「一緒に散歩しない?」「彼岸花がきれいらしいから見に行こう」。隣を一緒に歩けば、わざわざ指摘しなくても歩く様子はわかりますし、本人にとっては運動が「家族との楽しい時間」になります。「散歩のあとにお茶でも」とご褒美をセットにすると、次のお誘いもしやすくなります。
一緒に歩くときは、本人の歩く速さに合わせて、信号の渡り方、段差でのふらつき、休憩したがる頻度をさりげなく見てみてください。もしふらつきや極端な速度低下があれば、転倒予防(転倒予防の回もどうぞ)を考え始める合図です。
自宅でできること:敬老の日の「歩く力」チェック散歩
- 家族で近所を10〜15分、おしゃべりしながら散歩に出ます。目的は観察ではなく、まず楽しむことです。
- 途中の横断歩道で、青信号のうちに余裕をもって渡り切れるかをさりげなく確認します。
- 「会話しながら歩けるか」もチェック。話すと足が止まる、息が切れて話せない場合は、体力が落ちてきているサインです。
- 帰り道に「また歩こうね」と次の約束を。続ける仕組みづくりが、何よりのプレゼントになります。
大切なのは、テストのようにしないこと。あくまで主役は家族の団らんで、観察はそのおまけ、くらいの気持ちでちょうどよいのです。
Move fit 戸畑でできること
Move fit 戸畑では、理学療法士が歩く速さ・筋力・バランスを測定し、「今の歩く力の現在地」を数字と言葉でわかりやすくお伝えしています。現在地がわかると、何をどれだけやればよいかが具体的になり、ご家族も安心です。評価つきのジム体験は600円で受けられます。
65歳以上の方には、毎週火曜13:00〜13:40の体操教室もご用意しています。体験は600円、同年代の仲間と笑いながら足腰を鍛えられる40分です。敬老の日の贈り物に「一緒に体験に行ってみない?」というお誘いはいかがでしょうか。私たちが、ご家族の「歩く力」を一緒に見守ります。