一年の疲れは年内に――眠りと回復の話
今年も残すところ、あとわずかになりました。大掃除に挨拶まわり、年賀状——気ぜわしい日々の中で、「なんだか疲れが抜けないまま年を越してしまいそう」と感じている方も多いのではないでしょうか。
疲労回復というと、栄養ドリンクやごちそうをつい思い浮かべがちですが、実は身体がいちばん本格的に修理されるのは、眠っている間なのです。逆にいえば、眠りの質が落ちていると、どれだけ休日があっても疲れは少しずつ積み残されていきます。
一年の疲れは、できれば年内に手放したいもの。今回は、眠りと回復の仕組み、そして年末ならではの「眠りの落とし穴」と、その避け方のお話です。
身体の修理工場は、眠りはじめの「深い眠り」で動く
眠りには、深い眠りと浅い眠りがあり、一晩のうちに何度か波のように繰り返されます。なかでも大切なのが、寝ついてから最初の数時間に訪れる、いちばん深い眠り。この時間帯に、身体の修理を担う成長ホルモンが多く分泌され、日中に傷んだ筋肉や組織の手入れ、疲労の後始末が進むと考えられています。
つまり眠りは、長さだけでなく「深さ」が勝負。とくに序盤が肝心です。例えるなら、夜間にだけ動く修理工場。開店直後の数時間にどれだけ集中して作業できるかで、翌朝の身体の仕上がりが決まります。「長く寝たのに疲れが取れない」というときは、この序盤の深い眠りが妨げられているのかもしれません。
年末の夜更かしとスマホが、眠りを浅くする
年末は、眠りにとって試練の季節です。特番にお酒、夜更かし、そして布団の中のスマホ——。
まずスマホやテレビの明るい光。私たちの身体は、夜暗くなると「眠りのホルモン」と呼ばれるメラトニンを出して眠る準備を始めますが、寝る直前に明るい画面を見続けると、脳は「まだ昼だ」と勘違いし、この準備に水を差します。寝つきが悪くなるうえ、肝心の序盤の深い眠りまで浅くなりやすいのです。
寝酒にも注意が必要です。お酒を飲むと寝つきは良くなった気がしますが、夜中に眠りが細切れになり、肝心の深い眠りが削られることが知られています。さらに、就寝と起床の時刻が日によってばらばらになると、体内時計が乱れ、眠りのリズム全体が崩れます。年末年始も「起きる時刻」だけは大きくずらさない——これが、休みボケと疲れの持ち越しを防ぐいちばんの鍵です。
朝起きたら、カーテンを開けて光を浴びることもお忘れなく。朝の光は体内時計の針を合わせ直すスイッチで、夜にきちんと眠気が来るための「予約ボタン」でもあります。昼寝をするなら午後の早い時間に20〜30分まで。夕方の長い昼寝は、夜の深い眠りの取り分を先に使ってしまいます。
自宅でできること:寝る90分前の入浴
今夜からできる、眠りを深くする黄金ルールがあります。それが「寝る90分前の入浴」です。人の身体は、内部の体温がストンと下がるときに眠気が訪れるようにできています。入浴でいったん体温を上げておくと、その後の下がり坂が大きくなり、自然な眠気につながるのです。
- 就寝時刻から逆算して、90分ほど前にお風呂に入ります(例:23時に寝るなら21時半ごろ)。
- 38〜40度のぬるめのお湯に、10〜15分ゆっくりつかります。熱すぎるお湯は身体を逆に目覚めさせるので注意。
- お風呂上がりは、照明を少し落とし、スマホやテレビから距離を置いて静かに過ごします。温かいノンカフェインのお茶もおすすめ。
- 体温が下がってくる90分後、自然な眠気に乗って布団へ。
コツは「眠くなるのを待つ」のではなく、「眠気がやって来る段取りを組む」こと。湯上がりからおやすみまでの90分を、一日の終わりのご褒美時間にしてしまいましょう。
Move fit 戸畑でできること
眠りの深さを左右するのは、緊張モードと休息モードを切り替える自律神経です。Move fit 戸畑の鍼灸は、こわばった首や肩、背中をゆるめながら、この切り替えを後押しするのが得意分野。施術中にうとうと眠ってしまう方が多いのは、身体が休息モードに入った何よりのサインです(詳しくは自律神経と東洋医学の回をどうぞ)。日中の適度な運動も深い眠りの味方ですから、理学療法士によるリフォーマーでの運動との組み合わせもおすすめです。
鍼灸の初回体験は一律500円、訪問にも対応しています。新しい年を、すっきり軽い身体で始めるために——一年がんばった身体に、深い眠りという仕上げのご褒美をあげてください。それでは皆さま、よいお年をお迎えください。来年も、皆さまの健康づくりに寄り添ってまいります。