新年度の前に、姿勢のリセットを――春は身体の習慣を変えるチャンス
3月も終わりに近づき、街には新生活の気配が漂いはじめました。お孫さんの入学、家族の転勤、町内の役員交代——ご自身の生活は変わらなくても、まわりの空気が入れ替わるのが春です。
実はこの「節目の空気」、身体の習慣を変えるには絶好の追い風です。手帳や財布を新調するように、毎日の習慣もこの時期はすっと切り替えやすい。ダイエットや運動を「来週から」と先延ばしにしてきた方ほど、春の勢いを借りない手はありません。
そこで今回ご提案したいのが、新年度の前の「姿勢のリセット」です。大がかりな運動は要りません。まず、自分の今の姿勢を知ることから始めましょう。
姿勢は「見た目」だけの問題ではありません
背中が丸くなると老けて見える——これはよく知られた話です。でも、姿勢の影響はそれだけではありません。
頭の重さは約5kg、ボウリングの球ほどあります。背すじが伸びていれば、この球は背骨という柱の真上に乗っていて、支えるのに大きな力は要りません。ところが頭が前に出ると、首や肩の筋肉が「傾いた球を綱で引っ張り続ける」状態になります。同じ一日を過ごしても、姿勢が崩れている人のほうが疲れやすいのは、このためです。
さらに、背中が丸まると胸が広がりにくくなり、呼吸が浅くなります。呼吸が浅いと身体に取り込める酸素が減り、だるさや集中力の低下にもつながりやすい。姿勢は、疲れやすさと呼吸の土台でもあるのです。
「気をつける」だけでは戻ってしまう理由
「背すじを伸ばさなきゃ」と意識しても、数分後には元どおり——身に覚えはありませんか。これは意志が弱いからではありません。姿勢を支えているのは意識ではなく、背骨まわりやお腹の奥の筋肉だからです。
テントにたとえると、姿勢は支柱の傾きで、筋肉は支柱を四方から引っ張るロープです。ロープがゆるんだテントは、支柱を手で起こしてもすぐ傾きます。直すべきはロープのほう。つまり、支える筋肉を呼び覚ますことが、姿勢づくりの本筋です。
どの筋肉がゆるんでいるかは人によって違います。そこを見極めるのが理学療法士の仕事です(理学療法って何?という方はこちらの回をどうぞ)。
うれしいことに、支える筋肉が目を覚ますと、良い姿勢は「頑張ってつくる姿勢」から「いつの間にかそうなっている姿勢」に変わっていきます。背すじを伸ばすのに歯を食いしばる必要はなくなり、むしろそのほうが楽だと身体が覚えるのです。そこまでの道のりは、思っているより遠くありません。まずは現在地の確認から始めましょう。
自宅でできること:1日1回の「壁立ち姿勢チェック」
まずは現在地を知る習慣から。壁が1枚あればできます。
- 壁を背にして立ち、かかと・お尻・背中・後頭部の4点を壁につけます。
- 腰と壁のすき間に手を入れます。手のひら1枚分なら良い姿勢の目安です。
- すき間が大きい方はお腹を軽くへこませ、後頭部がつかない方は無理のない範囲であごを引きます。
- その姿勢でゆっくり3回深呼吸し、感覚を覚えたまま壁から離れて10歩歩きます。
コツは、毎日同じタイミングで行うこと。朝の歯みがきの後など、すでにある習慣にくっつけると忘れません。「後頭部が壁につきにくくなってきた」などの変化に早く気づけるのも、毎日チェックの良いところです。月に1回、家族に横からの立ち姿を撮ってもらい、見比べるのもおすすめです。
Move fit 戸畑でできること
Move fit 戸畑では、理学療法士が立ち姿と歩き方を最初に評価し、姿勢が崩れる原因になっている筋肉を特定します。そのうえで、リフォーマー(ピラティスマシン)を使って、背すじを支える筋肉をやさしく目覚めさせる運動をご提案します。マシンが動きを助けてくれるので、運動が久しぶりの方でも安心です。評価つき体験は600円。新しい季節の勢いがあるうちに、姿勢のリセットを始めてみませんか。