風邪をひきやすい人へ――東洋医学の「守りの養生」
「冬のたびに風邪をひく」「家族の中で自分だけもらいやすい」「ひきはじめをこじらせて長引く」——そんなお悩みはありませんか。
手洗いやうがいはもちろん大切です。ただ、同じ部屋で同じように過ごしていても、風邪をひく人とひかない人がいる。この差を、東洋医学は何百年も前から「身体の守りの力」の差として考えてきました。
今日は、その守りの力「衛気(えき)」のお話と、暮らしの中でできる「守りの養生」をご紹介します。
衛気――身体の表面をめぐる「見えないバリア」
東洋医学では、身体の表面には「衛気」という気がめぐっていて、外から入ろうとする邪気(寒さや風などの悪い影響)を防いでいる、と考えます。お城にたとえるなら、堀と塀のようなもの。堀が深く塀がしっかりしていれば敵は入りにくく、崩れていれば簡単に攻め込まれてしまいます。
「最近疲れがたまっている」「寝不足が続いている」「冷えがつらい」——そんなときに限って風邪をひくのは、この塀が低くなっているからだ、というのが東洋医学の見立てです。科学の言葉とは違いますが、体調と抵抗力の関係を言い当てた、暮らしの知恵だと私たちは考えています。
衛気という言葉は知らなくても、「疲れているときは風邪をもらいやすい」という実感は、誰もがお持ちのはずです。昔の人はその実感に名前をつけ、育て方まで考えてくれていた、というわけです。
風邪は「首の後ろ」から入る、と考えられてきた
東洋医学では、風邪は「風の邪気」が首の後ろから入り込むと考えます。実際、首の後ろには「風門(ふうもん)」——風の門という名前のツボがあるほどです。昔の人が、寒風に首すじをさらした日に限ってゾクッとくる、という経験を積み重ねてできた考え方なのでしょう。
ですから守りの養生の第一歩は、とても簡単。首の後ろを冷やさないことです。外出時はマフラーやスカーフを一枚。家の中でも、首元の開いた服で寒い廊下に出ない。たったこれだけで、体感の暖かさがずいぶん変わります。
とくに注意したいのが、朝のゴミ出しや洗濯物干しなど「ほんの数分だから」と無防備に外へ出る場面です。短い時間でも、首すじに当たる冬の風は身体を一気に冷やします。玄関にマフラーを一枚掛けておくと、さっと巻いて出られて便利です。
守りの力は「眠り」と「お腹」で育つ
東洋医学では、衛気は飲食物から作られ、眠っている間に養われると考えます。つまり、夜ふかしと胃腸の冷えは、塀の修理をさぼっているようなものなのです。
夜は日付が変わる前に布団へ。そして、冷たい飲み物や生ものを摂りすぎず、温かい汁物やお茶でお腹の中から温める。腹巻きやカイロでお腹の外から温めるのもよい方法です。派手さはありませんが、こうした地味な積み重ねこそが「守りの養生」の本体です(東洋医学の考え方の基本は東洋医学入門の回をどうぞ)。
自宅でできること:守りの養生・3点セット
- 外出時は首の後ろをマフラーで守ります。家ではドライヤーの温風を首の後ろに20〜30cm離して当て、じんわり温めるのも心地よい方法です(熱すぎに注意)。
- 夜は湯船に10分つかり、身体が温かいうちに布団へ。いつもより30分早い就寝を目指します。
- 朝は温かい味噌汁やスープを一杯。冷たい飲み物は控えめにします。
- ゾクッと寒気がした日は、無理をせず早めに温めて休みます。「おかしいな」の日の過ごし方が分かれ目です。
Move fit 戸畑でできること
Move fit 戸畑の鍼灸は、肩こりや腰痛だけでなく、「冷えやすい」「疲れが抜けない」といった体質のご相談もお受けしています。鍼とお灸で身体を温め、めぐりを整えることは、東洋医学でいう守りの力を支える土台づくりです。国家資格を持つ鍼灸師が、お一人おひとりの体質に合わせて施術します。
初回体験は一律500円、ご自宅への訪問にも対応しています。冬本番はまだこれから。「風邪をひきやすい身体を、土台から見直したい」という方、お気軽にご相談ください。