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COLUMN #54 | 東洋医学

やる気が出ない5月――心と身体はつながっている

2027年5月7日 | 執筆:村田 幸俊(理学療法士・鍼灸師)| Move fit 戸畑(北九州市戸畑区)
やる気が出ない5月――心と身体はつながっている

連休が明けて、いつもの日常が戻ってきました。なのに、どうも調子が出ない。朝起きても気持ちが重い、好きだったことがなんだか面倒に感じる、人と会うのがおっくう——そんな「5月の不調」を感じていませんか。

いわゆる「五月病」という言葉は新社会人や学生のものと思われがちですが、季節の変わり目と環境の変化が重なるこの時期の心身の疲れは、年齢に関係なく誰にでも訪れます。4月から張りつめていた糸が、連休でふっとゆるんだ反動が出やすいのが5月なのです。

まずお伝えしたいのは、これは「気のもちようの問題」でも「怠け」でもない、ということ。そして、心の元気と身体の動きのあいだには、思っている以上に深いつながりがあるということです。

気分が先か、身体が先か

「やる気が出たら動こう」と、私たちはつい考えます。でも実は、順番は逆でもよいことがわかってきています。身体を動かすと、後から気分がついてくるのです。

軽く身体を動かすと、血の巡りがよくなって脳にも酸素が届き、気分にかかわる脳内の物質が働きやすくなります。難しい運動である必要はまったくありません。研究でも、散歩程度の軽い運動が気分を明るくする方向に働くことが、世界中でくり返し報告されています。

たとえるなら、気分は井戸のポンプの呼び水のようなもの。最初のひと汲みは重いけれど、少し動かせば後は流れ出します。「やる気が出ないから動けない」のではなく、「動いていないから、やる気の呼び水がない」——そう考えると、出口が見えてきます。

もうひとつの呼び水は、人と顔を合わせることです。あいさつを交わす、世間話をする、一緒に身体を動かす。それだけで気持ちが少し軽くなった経験は、どなたにもあるはずです。調子が出ないときほど家にこもりがちですが、それは呼び水を自分で止めてしまうことでもあります。

東洋医学では「気のめぐり」が滞った状態と考えます

東洋医学では、心と身体を分けて考えません。やる気や気分も、身体を巡る「気」の働きのひとつです。気が滞ると、気分はふさぎ、ため息が増え、胸やのどがつかえた感じがし、身体も重くなる——心の症状と身体の症状が一枚の絵として捉えられています。

「気がふさぐ」「気が晴れる」「気が巡る」「気分転換」。日本語にこれほど「気」の言葉が残っているのは、先人たちが心と身体のつながりを日々実感していた証拠かもしれません。そして気を巡らせる一番の方法が、のびやかに身体を動かすことと、ゆったりした呼吸です。鍼灸も、この気の巡りを整える手段として昔から使われてきました(自律神経と東洋医学の回もどうぞ)。

自宅でできること:ハードルを下げた「ちょい動き」

5月の合言葉は「頑張らない運動」。まずは呼び水のひと汲みぶんだけ、身体を動かしてみましょう。

  1. 「5分だけ」と決めて、家の近所を一回りします。行き先は決めなくて構いません。
  2. 歩きながら、空や花など「遠くのもの」を3つ見つけます。視線が上がると呼吸も深くなります。
  3. 帰ったら、両腕を上げて大きく伸びをして、口からゆっくり息を吐きます。
  4. できた日はカレンダーに丸をつけます。丸がぽつぽつと並んでいくこと自体が、小さな自信になります。

コツは、目標を「気分がよくなること」ではなく「玄関を出ること」に置くこと。5分歩いてもっと歩きたくなったら歩く、ならなかったら帰る。それで十分です。雨の日は、窓を開けて深呼吸と伸びだけでも構いません。

※ 気分の落ち込みが2週間以上続く、眠れない・食べられない日が続く、何をしても楽しめない——そんなときは、一人で抱え込まず、かかりつけ医や心療内科などの専門機関に早めにご相談ください。相談することは、決して大げさなことではありません。

Move fit 戸畑でできること

Move fit 戸畑では、鍼灸で気の巡りと自律神経の働きを整えながら、理学療法士が「今の体力で無理なくできる運動」をご提案します。誰かと顔を合わせ、身体を動かす予定が週に一度あること自体が、気持ちの張りにつながったとおっしゃる方もいらっしゃいます。鍼灸の初回体験は500円。「なんとなく調子が出ない」の段階でこそ、お気軽にいらしてください。

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